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水族館だより

みんな仲良し

2012.04.16 カテゴリー:生きものダイアリー

宮島水族館のスナメリ達は、みんな仲良しです。
スナメリ水槽01
ゆったり、まったり泳いでいます

ふと泳いでいる姿に眼をやると、体をすり付けあってコミュニケーションをとる様子を、たびたび見る事ができます。すり合い行動は、親子であるP1とコハルが昔からよく行っていましたが、ゴウが来てからは、みんなですり合いをしています。
スナメリすりあい行動
左側がメスの「コハル」、右側がオスの「ゴウ」です。

器用に胸ビレ・尾ビレ、そして全身を使ってコミュニケーションとる様子は、とても可愛らしく、ほほえましい光景です。
是非一度、ご覧下さい。

 

STAFF I



ドドのヨネタローが仲間入り!

2012.04.04 カテゴリー:えとSETOら


宮島水族館に待望のトドのオスが新たに仲間入りしました!
名前は、ヨネタロー10歳。体長2m60cm、体重537kgの迫力満点の体格です。
ヨネタローは、3/29に大分マリンパレス水族館から宮島水族館にやってきました。
しばらくバックヤードでトドプールに入るための準備を重ねていましたが、晴れて本日4/4にトドプールデビューとなりました。

ヨネタロウ初プール
初めてのトドプールに緊張気味のヨネタローさん

このトドプールには、メスのコマチ12歳がオープン当初から飼育されています。私たち飼育員の一番の心配事は、ヨネタローがコマチと仲良くできるのかということです。
さあ、コマチとのご対面です。

ヨネタロウご対面
ご対面〜。左がヨネタロー、右がコマチ。

コマチは、ヨネタローの姿を見ると少しびっくりしていましたが、鼻を突き合わせるトドのご挨拶を交わしお互いを認めている様子です。
この挨拶ができれば、ひとまず安心です。飼育員一同ホット胸をなでおろす瞬間でありました。

ドド報道陣
たくさんの報道の方に来ていただきました。

迫力のある泳ぎと、愛くるしい顔
宮島水族館のニューフェイス ヨネタロー君にぜひ会いに来てくださいね。まってまーす!


スタッフ O


カキ水槽で飼育されているスズキは、日本各地の沿岸に生息し、瀬戸内海でもおなじみの魚。
また、セイゴ、フッコ、スズキと成長するにつれて名前を変える出世魚でもあります。

suzuki

平家物語の中に、このスズキと平清盛公にまつわる話が出てきます。
平清盛が安芸守だったころ、船で熊野詣をしていた折、清盛の乗った船に偶然、スズキが飛び込んでくるという出来事がありました。
スズキは出世を象徴する魚。この吉兆を清盛はとても喜んだのだとか。
その後、ついに清盛は天下をとったのですから、スズキはやっぱり縁起のいい魚だったのかもしれませんね。




宮島水族館では、月に一度の頻度で「水の生きものサロン」を開催することとなりました。
このサロンは、水にすむ生きものについてのお話の会です。

お話をする人は、 水族館のスタッフ、宮島水族館教育ボランティアの方々、館外の水の生きものの専門家の方などが、わかりやすくお話をします。
お話を聞く人は、当日お越しになったお客様はもちろん、水族館の職員や教育ボランティアさんなど誰でも参加オッケーなんです。

第1回目は3月3日に、塚本館長が「フジツボの不思議な世界」をお話ししました。

水の生きものサロン
アットホームな雰囲気で、フジツボの誕生から大人になるまで、種類の見分け方、体のつくりなどフジツボの世界を紹介しました。

smiley-smile.gif ここで、お知らせです。smiley-smile.gif

次回の「水の生きものサロン」は、4月7日(土)10:00開催です。
お話は、「干潟の役割とそのいきものたち」と題して、干潟の魅力を紹介します。
お話をする人は、宮島水族館教育ボランティアのMさんです。
会場は、レクチャールーム(1Fカキいかだ水槽のとなり)で行います。

気軽な雰囲気で参加できるお話会なので、興味のある方はちょっと覗いてみてくださいね。おまちしてまーす。


スタッフ O

コツメカワウソの子育て日記(3)

2012.03.30 カテゴリー:生きものダイアリー

2月に名前が決まったコツメカワウソの赤ちゃん「アラタ」。
体重は2キロまで増え、生まれたときは少し薄い灰色だった毛色も、今では親と同じこげ茶色に近づいてきました。餌も親と同じ魚を食べています。通路をはさんで2つの水槽をつなぐ透明パイプも、行ったり来たりできるようになっているんですよ。
あっという間に、親と同じように動き回るようになりましたが、唯一まだまだだなぁと思うのが泳ぎ。犬かきで懸命に泳いでいるのですが、危なっかしいですね。

a-inukaki
必死の犬かきで泳ぐアラタ。早く上手になってね。

水際にとどまって顔をつけたり、手を入れてみたりして、なかなかプールに入らないところを見ると、アラタもまだ泳ぎは苦手なんだなと思いますが、「練習して早く上手になって!」と、スタッフみんなで応援しています。

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今から飛び込むんだ! 怖くないっ! 怖くないぞっ!

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顔をつけて様子をうかがってみたり・・・

順調にすくすく育っているアラタですが、新米パパのイロハとママのツバメは子どもの目を見張る成長ぶりについていけていないのか、相変わらずアラタを赤ちゃん扱い。
木に登っていれば、「怪我をしては大変」とばかりに下ろしたり、パイプをくぐろうとすれば首ねっこをくわえて連れ戻したりと、未だに過保護です。昨年10月に生まれたばかりなので、無理もないのですが・・・。
とはいえ、アラタはまだ子ども。飼育員お手製のおもちゃにじゃれついて遊んでいる姿は、本当にかわいいです。
夏ごろには親と見分けがつかないくらい成長していると思いますので、今しか見ることのできない無邪気なアラタに、早く会いに来てくださいね。

a-asobu
飼育員が作ったロープのおもちゃで遊ぶアラタ。かわいいっ!!



スナメリのお婿さんがやってきました!

2012.03.24 カテゴリー:生きものダイアリー

3月22日(木)、三重県の鳥羽水族館から、スナメリのオス、「ゴウ」が宮島水族館へやってきました。

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「ゴウです。よろしくね!」


宮島水族館では、3頭のスナメリを飼育していましたが、すべてメスで、繁殖ができない状態でした。
この度、鳥羽水族館さんのご厚意で、オスをお借りすることができました。



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鳥羽水族館からの約9時間の道中は、とてもおとなしく、かえって心配になるほどでしたが、
水槽に入ってからは元気に泳いでくれたので、ほっとしました。


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お見合いする、ゴウ(下)とP1(上)

現在日本の水族館には、スナメリは、5園館17頭(オス8頭、メス9頭)しかいません。
スナメリを飼育している水族館では、飼育頭数を増やすため、共同繁殖に取り組んでいます。

ゴウが、宮島水族館のメス個体P1、コハル、ニコと仲良くなって、赤ちゃん誕生につながることを期待しています。



宮島水族館周辺は潮が引くと、いろんな種類のいきものたちが干潟に顔を出します。
夏場の砂地で、片方のハサミだけが白くてやけに大きく目立っているカニが、ハクセンシオマネキです。
片方だけ大きなハサミを持つのはオス。白い扇のようなハサミ脚を前後に動かし、何かを招いているようなしぐさを見せます。この姿、なんだかあの方の姿に重なりませんか?
そう、清盛さんです。平清盛公が音戸の瀬戸を切り開くとき、沈む夕日を扇で招き返したという伝説がありますよね。
ハクセンシオマネキは、「白扇潮招」の漢字を当てますが、いかにも清盛公ゆかりの地ならではのいきものだと思います。
ちなみに、ハサミ脚を動かすのはメスへの求愛ダンス。実は干潟で婚活に励んでいるんですよ。
冬は砂の中に潜ってじっとしているため、一年中観察できるわけじゃないんですが、宮島水族館に展示していますので、ここなら一年中、ハクセンシオマネキを見ることができます。

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き、清盛さん!? いえいえ、宮島水族館のスタッフです。「せとうち研究所」では、
実際に白い扇を使って、子どもたちにハクセンシオマネキの生態を説明しています。




砂場の珍客(チンアナゴ&カニハゼ)

2012.03.13 カテゴリー:水族館のお仕事

チンアナゴとカニハゼが暮らす水槽は、いつも人が絶えることなく、一度見たら忘れられないその姿に見入っています。

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いつも一斉におなじ方向を向いているチンアナゴ

チンアナゴは珊瑚の砂底に群れで生息。砂の中からニョキッと顔を出している姿はなんとも個性的です。
ちなみに、顔が犬のチンに似ていることから、その名が付いたのだそう。体の大部分は砂の中なので、全体を見かけることは滅多にないのですが、体長は40cmほどあって意外に長いんですよ。
面白いのは、いつも一斉に同じ方向に顔を向けて、ゆらゆらしていること。実は、水流に乗って流れてくるプランクトンを食べているんです。

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背びれが目に見えてしまうカニハゼ

カニハゼは、名前に「カニ」が付いているだけあって、ぱっと見はカニのように見え、ぴょんぴょん跳ねるように泳ぎます。
カニの目のように見える背びれの二つの黒丸は、ただの模様です。実際の目はそれより小さく、頭の上の方にちょこんと付いています。よーく見ると、分かりますよ。
よくペアで巣をつくっているのですが、中にはよせばいいのに他のペアのメスを奪いに行こうとする輩もいて、当然のように追い出されるのですが、懲りもせず同じことを繰り返しています。

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挨拶を交わしているように見えるカニハゼとチンアナゴ

チンアナゴとカニハゼは、どちらも派手なパフォーマンスを見せてくれるわけじゃないんですが、容姿も動きも愛らしくずっと見ていたい気分になるから不思議です。



こう見えてもフットワークは軽い方(ウニ)

2012.03.06 カテゴリー:えとSETOら

オープン以来、たくさんの子どもたちが磯遊びを体験したタッチプール。タッチプールでは、毎日飼育員が磯の生物について解説を行っています。今回は、磯に暮らすウニの話です。

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タッチプール

このウニたち、歩くのをご存知ですか? 
イガ栗のようなカラダ全体を覆うトゲの間に、やわらかくて白っぽいひげのような管足(かんそく)というたくさんの“足”があって、身軽に動くことができるんですよ。すっごく意外でしょ!? 
あの外見からは想像がつかないくらい、フットワークは軽いのです。また、その先端は吸盤のようになっているので、とどまるのが難しそうな場所でも、器用に吸盤を使ってじっとしています。
裸足で磯に入る「ジャブジャブタイム」は、暖かくなるまでしばらくお休み中ですが、飼育員が解説しながらいきものにさわっていただく「なでなでタイム」では、ウニを手に乗せて観察することができますよ。
ウニたちを根気よく、じーっと見ていたら、そのうち動く姿を見る事ができると思います。

 



NHK大河ドラマ「平清盛」が始まりましたが、宮島は清盛公ゆかりの地。
そこで、ドラマで注目される清盛公と海のいきものにまつわるお話をこれからご紹介していきます。
第一回目はタツノオトシゴです。
タツノオトシゴはとても不思議な姿をしていますが、実は生態もまだよく分かっていないんです。ここ宮島近辺にも生息していて、アマモ(海草)が群生するアマモ場やホンダワラなどの海藻が群生するガラモ場にいます。そして、くるくるっとした尾を海藻に巻き付け、流されないように潮流に合わせてゆらゆらしています。
不思議なのは姿だけでなく、出産もまたしかり。赤ちゃんタツノオトシゴが生まれてくるのは、なんと大きく膨らんだオスのお腹から。
これは、メスがオスの育児嚢(いくじのう)に産卵し、そこでふ化させて稚魚になるまでしばらく育ててから出産するからなんです。オスが妊娠して出産すると間違えられるのもうなずけます。
ちなみに、ふ化した赤ちゃんタツノオトシゴは5mm程度でとっても小さいけれど、姿は親(大人)とほとんど変わらないんですよ。
さて、清盛公にまつわるお話ですが、平清盛が娘の中宮徳子(建礼門院)に、安産のお守りとして乾燥させたタツノオトシゴを授けたという記録が残っています。娘の体を案じる優しい父親としての清盛公の人柄を感じるエピソードですね。

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尾を巻き付けて、ゆらゆら漂う「タツノオトシゴ」



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