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オスが妊娠、そして出産も!?(タツノオトシゴ) 〜平清盛にまつわる海のいきものたち・その1〜

2012.02.28 カテゴリー:生きものダイアリー

NHK大河ドラマ「平清盛」が始まりましたが、宮島は清盛公ゆかりの地。
そこで、ドラマで注目される清盛公と海のいきものにまつわるお話をこれからご紹介していきます。
第一回目はタツノオトシゴです。
タツノオトシゴはとても不思議な姿をしていますが、実は生態もまだよく分かっていないんです。ここ宮島近辺にも生息していて、アマモ(海草)が群生するアマモ場やホンダワラなどの海藻が群生するガラモ場にいます。そして、くるくるっとした尾を海藻に巻き付け、流されないように潮流に合わせてゆらゆらしています。
不思議なのは姿だけでなく、出産もまたしかり。赤ちゃんタツノオトシゴが生まれてくるのは、なんと大きく膨らんだオスのお腹から。
これは、メスがオスの育児嚢(いくじのう)に産卵し、そこでふ化させて稚魚になるまでしばらく育ててから出産するからなんです。オスが妊娠して出産すると間違えられるのもうなずけます。
ちなみに、ふ化した赤ちゃんタツノオトシゴは5mm程度でとっても小さいけれど、姿は親(大人)とほとんど変わらないんですよ。
さて、清盛公にまつわるお話ですが、平清盛が娘の中宮徳子(建礼門院)に、安産のお守りとして乾燥させたタツノオトシゴを授けたという記録が残っています。娘の体を案じる優しい父親としての清盛公の人柄を感じるエピソードですね。

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尾を巻き付けて、ゆらゆら漂う「タツノオトシゴ」



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