2011.10.25 カテゴリー:水族館のお仕事
水族館にはたくさんの水槽がありますが、いつもきれいな状態で見ていただくため、掃除は欠かせない仕事の一つ。
藻など汚れがついたままでは、せっかくの見学も台無しなので、毎日、水槽をせっせと磨いています。
水槽がきれいに見えるように、隅々まで磨きます。
石もきれいにゴシゴシ。
その掃除なのですが、担当者は当然水の中に潜って掃除します。
ひとつの水槽が終わると、次の水槽へ移動! でも場所が離れていたり、1階から2階へ行くときなど、そのまま歩いて行くと通路は水浸しになってしまいます。
そこで登場するのがオリジナルトロッコです。
魚たちを運ぶコンテナにコロを付けたもので、潜水服が濡れていてもそのままコンテナに乗り込んで、別のスタッフに押してもらえば簡単に移動できるというアイデア用品です。
トロッコに乗って、いざ移動開始。
でも待てよ、この移動の様子は見たことがあるぞー。そうだ、70年代に一世を風靡した時代劇『子連れ狼』だ!(古い…)
当時、テーマソングとともに、大五郎という子役が箱車に乗って父親に押してもらって旅をしていましたが、まさにそのシーンを思い起こさせるような、なんとも言えない哀愁が漂います。
エレベーターにもちゃんと収まります。怪しさ満点。
以来、私たちスタッフは、トロッコを見かけるとつい笑ってしまうのですが、それも通路を汚さないための苦肉の策。
しとしと通路が水にぬれてしまっては危険なのですから。
このトロッコの移動は開館中はやらないので皆さんが見かけることはないのですが、快適に鑑賞していただくためにこんな苦労もしているんですよ。
2011.10.18 カテゴリー:水族館のお仕事
水槽の掃除やエサやりなど、何かと水槽に潜る必要がある飼育員。
管理された水槽の中といっても、潜水は常に危険と隣り合わせであることは間違いありません。
そこで宮島水族館では、安全に仕事をこなすために独自の基準による「潜水試験」を定期的に行っています。
飼育員はこの試験に合格しないと水中での作業をしてはいけないのです。
試験はいつも宮島水族館でいちばん大きな「ゆったり水槽」で行っています。
フィン(足ひれ)、ウエイト(浮力を抑えるための重し)、空気ボンベを水底に沈めておいて、素潜りで潜って水中で装着するという内容。
潜水試験スタート。見守る方も緊張します。
酸素ボンベもつけて、着々と課題をクリア。
すべて装着完了! 余裕のポーズが出ました。
現在、宮島水族館の飼育スタッフは20人ほどですが、もし全員がこの「潜水試験」に合格したらそれだけ戦力が増えるので、作業の効率がアップします。
お客さまに、より快適に水族館で過ごしていただくため、全員合格をめざして私たちの訓練は続きます。
2011.10.08 カテゴリー:えとSETOら
17:00を過ぎ、お客さまもいなくなった水族館。
だんだんと日が暮れるのも早くなってきました。
ライブプールは水を抜いて、軽くお掃除。
ペンギンたちは、なんだか寝むそう。
日中は、岩陰に隠れている、ゆったり水槽の主ヤイトハタの「ジンベイ君」。
1mをこえる巨体をゆっくりとくねらし、水槽中央へ出てきました。
夕方の水族館は、いつもと違った動物たちの姿が見られます。
これからもっと日が暮れるのが早くなりますから、閉館間際には、
このような姿が見られると思います。
STAFF A
2011.10.04 カテゴリー:生きものダイアリー
コツメカワウソは、カワウソの中ではいちばん小さな種で、東南アジアに生息しています。
“コツメ”という名前が付いているように、ツメは爪楊枝の先くらいしかありません。
なんてったってアイドルですから
リニューアルオープンした宮島水族館の1階にあるカワウソ水槽は、コツメカワウソたちの日常生活を見せる水槽(生態展示水槽)と、飼育員と遊ぶ姿や身体能力を見せる水槽(行動展示水槽)に観覧通路を挟んで別れています。
2つの水槽は天井近くで透明なパイプでつながっており、頭上を歩き回る姿を見ることができます。
水槽をつなぐパイプを行ったり来たり
現在、この水槽では、3頭が仲良く暮らしています。この水槽でリーダー的な存在が、ナツメです。
存在感たっぷりな体型はオスに間違われがちですが、女の子です。
ナツメは旧宮島水族館のときに、二本足で立って、両手で餌をキャッチする姿が話題になって人気を集めていたんですよ。
ツバメは好奇心旺盛な、ナツメの妹です。水槽内の倒木をよじ登って、透明パイプを行き来しています。
ちなみに、ナツメとツバメは、旧宮島水族館で生まれました。
そして、お婿さんとして今年の2月に大阪の海遊館からやってきたのが、オスのイロハです。スマートな体つきと、抜群の運動神経で、水槽内を駆け回っています。
ほぼ生態展示水槽の中で過ごしています
新しい部屋にもすっかり慣れた様子のコツメカワウソたち。次は繁殖が楽しみです。
2011.10.01 カテゴリー:生きものダイアリー
平成23年10月1日からトリックアートの不思議「水のない水族館展」を開始しました。
トリックアートは、人の目の錯覚を巧みに利用して、平面に描かれた絵が立体的に飛び出して見える不思議なアートです。
このイベントでは、海の仲間たちをテーマにした18作品を展示しています。
10月1日(土)から10月31日(月)までの1か月間、宮島水族館1階レクチャールーム・企画展示室にて開催しています。
宮島水族館の入館券でご覧いただけますので、ぜひ、宮島水族館へお越しくださいませ。
STAFF Y
2011.09.30 カテゴリー:えとSETOら
修学旅行のシーズンとなりました。
連日、日本全国から宮島にお越しいただいております。
修学旅行ですか〜。はるか昔の思い出です。
ともに涙し、笑いあった仲間たちとの最後の旅行…
みんな、良い思い出いっぱいつくってくださいね。
STAFF O
2011.09.28 カテゴリー:えとSETOら
朝起きるとテレビで高潮警報の速報テロップが…
えーっと、今日の満潮時刻はと9:59.さっそく、水族館裏の海を見に行きました。
これは高い。潮位が陸まで50センチ?位に迫っています。
海が盛り上がって見えるのは、私だけ?
すぐに、施設を見まわりして異常がないのを確認しました。
海水が施設に流れ込んだら大変ですからね。一安心です。
でも、明日から2〜3日間は満潮位が高いのです。気が抜けません。
沿岸部にお住まいの方は、注意してくださいね。
STAFF O
2011.09.27 カテゴリー:えとSETOら
宮島水族館の2階、「山から海へ」のコーナーの入り口にあるのが、カブトガニの水槽。
カブトガニは昔は瀬戸内海の干潟にたくさんいたのですが、干潟自体が少なくなってきて今は数が減って、滅多に見かけなくなりました。
それでもごくたまに宮島周辺や江田島で捕獲されたという話を聞きます。
さて、カブトガニの水槽では10匹近くが飼育されているのですが、よくひっくり返っているカブトガニがいます。
時々、見学されている方から「死んでいるんじゃないの?」と連絡をいただくことがありますが、あれはほんとにただひっくり返っているだけです。
移動しているときに、何かの拍子にバランスを崩して裏返ってしまうようなのです。しかも、すぐには戻らず、しばらくそのままなものだから心配される方が多いようです。
でも、剣のような尾を使ってちゃんと元に戻ることができますので、どうぞご安心を。
こんな姿で失礼します
ところで、水槽を見ていただくと気が付かれると思いますが、ほとんどのカブトガニはオスとメスがくっついて行動しています。
これは繁殖のタイミングをずっと待っている状態なんですよ。
オスとメスがくっついていることが多いカブトガニ
よく間違えられますが、前の体の大きい方がメスで、後ろの小さい方がオスです。
オスは体の前部の縁が凹んでいるので、すぐに見分けがつくと思います。
カラダが大きく、縁が丸いメス
カラダがメスより小ぶりで、縁に凹みがあるのがオス
自然界で、カブトガニの産卵が行われるのは大潮の干潮時。干潟に穴を掘って産卵をします。
卵がふ化してから脱皮を繰り返しながら大きくなるのですが、ここ宮島水族館でも繁殖に成功させたいと思っています。
2011.09.25 カテゴリー:えとSETOら
シルバーウィークも、今日で終わりですね。
たくさんのお客様にご来館いただきまして、ありがとうございました。
お子様に大人気の、タッチングプールに入ることができる「ジャブジャブタイム」、
本日も大盛況、と言いたいところですが、30分の実施時間中、終盤になると
プールがやや空いていました。夏休み期間中は、時間いっぱい超満員だったのですが、
そろそろ秋めいてきたので、水遊びに抵抗を感じられたのかもしれませんね。
皆様風邪などひかぬよう、お気をつけください。
STAFF A
2011.09.20 カテゴリー:生きものダイアリー
東南アジアに生息するテッポウウオ。体長約20cmほどで、旧宮島水族館から展示されているおなじみの魚です。
テッポウウオという名前の通り、地上にいる獲物を目がけ、水鉄砲のように口から勢いよく水を飛ばし、水中に落として食べるという驚くべき技を使います。
どんな風に水を吹き出すかというと、舌に溝があり、エラ蓋を一気に閉じることで、舌の溝から水を飛ばします。
宮島水族館では、その捕食行動を見ていただこうと、「的」にエサのアミをつけて水鉄砲で落とさせる「テッポウウオのシューティング」というパフォーマンスイベントを開催しているので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。
狙いを定めて、水鉄砲発射
そんなテッポウウオですが、中には「面倒くさい」とばかりに水鉄砲を使わずエサにありつくやからがいます。
では、どうやってエサを食べるのか。なんと水中から勢いよく飛び上がり、的に体当たりしてエサを落とすのです。
そんなわけで、的は最初はもっと低い位置にあったのですが、今では水中から約1mの高さまで上げています。
また、よく見ているとエサを落とした魚が、そのエサにありつけず、横取りされていることもあるんですよ。
とても要領のいい魚がいて、落ちてくるエサを狙って待機しているんです。水を吹き出した魚は、すぐに食べることができませんから、遅れてしまう。そこへすかさずやってきて、エサを食べてしまうんですね。
さらに、水鉄砲が強すぎて勢い余り、エサが遠くに落ちてしまうこともあります。そのときにも横取りされていますね。
毎日のように繰り広げられる、エサの争奪戦
「テッポウウオのシューティング」は、1階のテッポウウオの水槽で毎日開催しています。
仁義なきエサの争奪戦をご覧ください。
テッポウウオのシューティングは毎日、開催しています