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水族館だより

カキ水槽で飼育されているスズキは、日本各地の沿岸に生息し、瀬戸内海でもおなじみの魚。
また、セイゴ、フッコ、スズキと成長するにつれて名前を変える出世魚でもあります。

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平家物語の中に、このスズキと平清盛公にまつわる話が出てきます。
平清盛が安芸守だったころ、船で熊野詣をしていた折、清盛の乗った船に偶然、スズキが飛び込んでくるという出来事がありました。
スズキは出世を象徴する魚。この吉兆を清盛はとても喜んだのだとか。
その後、ついに清盛は天下をとったのですから、スズキはやっぱり縁起のいい魚だったのかもしれませんね。



こう見えてもフットワークは軽い方(ウニ)

2012.03.06 カテゴリー:えとSETOら

オープン以来、たくさんの子どもたちが磯遊びを体験したタッチプール。タッチプールでは、毎日飼育員が磯の生物について解説を行っています。今回は、磯に暮らすウニの話です。

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タッチプール

このウニたち、歩くのをご存知ですか? 
イガ栗のようなカラダ全体を覆うトゲの間に、やわらかくて白っぽいひげのような管足(かんそく)というたくさんの“足”があって、身軽に動くことができるんですよ。すっごく意外でしょ!? 
あの外見からは想像がつかないくらい、フットワークは軽いのです。また、その先端は吸盤のようになっているので、とどまるのが難しそうな場所でも、器用に吸盤を使ってじっとしています。
裸足で磯に入る「ジャブジャブタイム」は、暖かくなるまでしばらくお休み中ですが、飼育員が解説しながらいきものにさわっていただく「なでなでタイム」では、ウニを手に乗せて観察することができますよ。
ウニたちを根気よく、じーっと見ていたら、そのうち動く姿を見る事ができると思います。

 



泣きっ面に、エイ?(エイ)

2012.02.21 カテゴリー:えとSETOら

先日、水族館だよりで、「空飛ぶざぶとん」ということで、ヒラメを紹介しましたが、実は宮島水族館には、もう一枚(?)ざぶとんがいるのです。
その正体は、「エイ」。当館では、現在アカエイ、ホシエイなど4種類のエイを飼育しています。その中でも、アカエイの仲間は水槽の底にいることが多いのですが、たまに体の両端をひらひらとさせて、水槽の中層を泳いでいます。その姿は、まさに「空飛ぶざぶとん」。


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四六時中、泣き顔

泳いでいるとき、お腹である白い方が見えているときがありますが、その際はアカエイの「もう一つの顔」にご注目ください。
何とも言えない泣きっ面ですが、実はこの部分は、エイの口なんです。エイの種類によっては、下唇をかみしめてキーッと泣いているものや、大泣きしているもの、あるいは優しく微笑んでいるものなど様々です。

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アップで見ると、迫力の泣き顔

まあ、私たち人間が勝手に想像しているだけなんですが、この豊かな表情をみて思いついたのが、能楽に使われる「翁面」。笑い顔とも、憂い顔ともとれる表情に共通点がないでしょうか?


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エイの顔は翁面にそっくり!?





コツメカワウソの子育て日記(2)

2012.02.14 カテゴリー:えとSETOら

体つきがイロハとツバメに似てきたコツメカワウソの赤ちゃん。つい先日、生まれたばかりのような気がするのに、もう親子3匹一緒に水槽の中を走り回っています。ほんとに成長が早いと思います。
さて、前回の出産秘話に続き、今回の話題は子育てのお話です。
生まれたてのころは、3匹とも小屋からちっとも出てこなかったので、そっと設置していたカメラから様子をうかがうと・・・。
赤ちゃんがおっぱいを飲もうとツバメ(母親)のお腹に行くのですが、イロハ(父親)がすぐにやってきて、赤ちゃんをぎゅっと抱きしめているんです。それを見たときは「うわー、何するんだ、やめろー」と思わず叫んでしまいました。初めての子どもで、とっても可愛いのは分かりますが、なんとも愛情の注ぎ方が的はずれ。また、イロハとツバメが赤ちゃんの奪い合いを繰り返すというのもあり、疲れたら3匹が川の字になって寝ていました。

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赤ちゃんをパパ、ママが奪い合い

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川の字で親子まったり。慣れない子育てで疲れているの?

さらに、イロハとツバメを見ていると、イロハがスパルタでツバメが過保護ぎみ。
イロハが赤ちゃんを小さなプールに連れ出し、水につけようとするのですが、ツバメは「まだ早いわ!」とばかりに、小屋に連れ戻そうとします。これをまた延々。
そんな様子を見ていたお客さんたちは、「ここは教育方針が違うのね」と笑っていました。
なんとも危なっかしい新米パパとママですが、一所懸命に子育てしていますので、応援して上げてくださいね。

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プールにつける、つけないで、もめています



カキ打ち体験会スタート

2012.02.12 カテゴリー:えとSETOら

2月11日(土)宮島水族館1階企画展示室において、カキ打ち体験会が行われました。

11時と14時の2回、それぞれ先着50名様が参加でき、15分前の受付開始から行列ができるほど盛況でした。

その様子を紹介します。


準備OK!!


カキの準備もOK!!


カキ打ち体験の前に、カキのからだのしくみを学んでもらいます。


お子様にはぬり絵をしながらカキのからだのしくみを知ってもらいました。家族で「はいポーズ!!」

  
しっかりと殻の開け方を聞いてうまく開けることができました!!

このカキ打ち体験会は本日2/12も行われます。また、特別イベント『広島カキまるごと博物館』は2月19日(日)まで行われます。ぜひ、宮島水族館へお越しください。
 スタッフ Y



広島は、全国に知られるカキの一大産地。宮島水族館には、広島ならではのカキいかだを再現した水槽があります。生きたカキの展示は日本でも、ここ宮島水族館だけ。ちなみに、広島県のさかなに指定されているのはカキなんですよ。

さて、そのカキ水槽ですが、昨年末に展示するカキいかだを入れ替えました。カキは本来、殻にホヤやフジツボなどが付いていて、全体的にデコボコして茶色っぽく、見た目はあまりきれいではないんです。当初の宮島水族館に展示したばかりのカキもそうだったんですよ。でも、そのうちカキの殻はとってもきれいになっていきました。なぜかと言うと、カキ水槽で一緒に飼育しているウマヅラハギやメバルなどが、殻の付着物をせっせと食べるから。でも、できるだけ海にいるカキ本来の姿を皆さんに見ていただきたい。それで、昨年末に、宮島近辺で育てたカキを水揚げし、古いカキと入れ替えたというわけです。今度は一緒に飼育する魚たちもあまり増えすぎないように様子を見ながら、自然界にあるカキの姿を見ていただこうと思っています。

ところで、カキの餌は植物プランクトンで、海水をエラで吸収しては必要な養分だけを濾し取って余分なものを吐き出します。一見、動きがないように見えますが、絶えず動いているんですよ。しばらく眺めていると、微妙なその動きを見ることができるかもしれません。


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宮島沖で育てられたカキが桟橋に到着

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カキの付いたロープは約6メートル。みんなでトラックまで運びます

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カキと一緒に水揚げされたイソギンポやケヤリムシ

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クレーンで吊り上げ、水族館の2階に

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いよいよ水槽へ。水槽の上と下とで連絡を取りながら、ロープをたらす位置を決めます

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本、すべて収まりました。最初はにごっていた水槽も、今は澄んでいます



コツメカワウソの子育て日記(1)

2012.02.03 カテゴリー:えとSETOら

宮島水族館で、昨年10月に誕生したコツメカワウソの赤ちゃん。現在、両親の愛情を一身に受けて、すくすくと育っています。
飼育動物の誕生は、水族館にとってうれしいニュースの筆頭にあげられます。また、リニューアルオープンして最初の赤ちゃんであることや、宮島水族館でコツメカワウソの赤ちゃんが誕生したのは、8年ぶりのことですから、私たち飼育スタッフにとっては、喜びもひとしおです。

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小屋から出て、赤ちゃんのお披露目サービス

母親であるツバメのおなかが大きくなり、妊娠を確信したのが10月初旬。飼育スタッフの間に、期待感がひろがりました。
ただし、父親のイロハ、母親のツバメにとっては、初めての赤ちゃんです。新米のパパ・ママにしっかりと子育てができるかどうか、心配でした。このため、育児が上手くできなかった時に備え、哺乳瓶や猫用ミルクなどの人工保育の準備をしておきました。

そんな期待と不安を抱えたまま迎えた10月27日の朝、小屋の中で赤ちゃんが1頭生まれているのを発見しました。
不器用そうに、赤ちゃんの面倒を見ているイロハとツバメ(コツメカワウソは、両親・兄弟で赤ちゃんの面倒を見るのです)を見て、飼育スタッフ一同、ほっとしました。

生まれた直後は、赤ちゃんはもちろん、親の2頭もあまり外に出てこず、ほとんど巣小屋の中で子育てをしていましたが、1か月もすると、赤ちゃんの首をくわえて外へ連れ出してくるようになりました。
ところが、この後、両親の教育方針の違いに、赤ちゃんが振り回されることになりました。次回は、はらはらドキドキ、おっかなびっくりの子育てをご紹介しますのでお楽しみに。

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コツメカワウソ一家です。これからもどうぞよろしく!



ようこそ宮島水族館へ

2012.01.17 カテゴリー:えとSETOら

宮島水族館で飼育している海の仲間たちは、いろんな場所からやってきます。今回は、魚たちの輸送のお話です。

宮島水族館の展示生物の中でも、特に飼育の難しい魚の一つがタチウオです。瀬戸内海ではおなじみの魚で、宮島からそう遠くない場所で捕獲するのですが、捕り方はすべて一本釣りです。

タチウオはウロコがないので、網で捕まえると傷がついてしまい、すぐに弱ってしまうんです。タチウオの水槽には壁に沿ってシートを巡らせていますが、壁で体を傷つけないようにするためなんですよ。
だから運ぶときも、酸素を送りながら、揺れた衝撃で体が水槽タンクの壁に当たってしまわないよう、そーっと運ぶのです。

タチウオ搬入(船)
船から水ごとタチウオを移動します。

タチウオ搬入(軽トラ)
軽トラックの荷台のタンクにタチウオを移して水槽まで運びます。

タチウオだけでなく、四国に魚を引き取りに行ったときも、活魚タンクが搭載された専用トラックで運んできました。
運ばれる方も大変ですが、運ぶ方も大変。だから、無事に到着したときは本当にホッとします。

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魚たちを運ぶ、水槽が備えられた専用トラック。長旅もありました 

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トラックの水槽の中はこんなふうになっています 

宮島水族館に到着した魚たちは、建物の2階部分に設置されたクレーンで水槽ごと吊り上げ、そのままバックヤードへ運びます。

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運ばれてきた魚たちは、2階部分のクレーンで水槽ごと吊り上げられて中へ

そして、環境に慣れさせてから展示水槽でデビューとなります。

いろんな生き物たちが各地から集合している裏には、こんな苦労もあるのです。



そこのけそこのけ、サメ様が通る(ツマグロ)

2012.01.05 カテゴリー:えとSETOら

サメはその風貌や映画「ジョーズ」のイメージが強いせいか、凶暴な生き物で、人をも襲う怖い魚、と思っている人も多いのでは? 
でも、そういうサメはごくわずかで、ほとんどの種類は大人しいんですよ。

ここ、宮島水族館では何種類かのサメを飼育しているんですが、その中に「ツマグロ」というサメがいます。
「ツマ」は「端」という意味もあって、尾レや背ビレの先が黒いので、そんな名前が付いたようです。英名はブラックチップ。
余談ですが宮島水族館には、ネムリブカというサメもいて、こちらはツマグロとは逆に尾ヒレや背ビレの端が白。英名はなんとホワイトチップ! 
宮島水族館では白黒がそろっているんです。

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いつも表層を泳いでいるツマグロ

さて話を戻して、そのツマグロですが、いかにも「これがサメだ!」という顔と姿をしていて、特に顔は強面。
いつもゆったり水槽の中を、シャープな動きで他の魚たちの間をすり抜けながら、いばりまくって泳ぎ回っています。
そんな様子を見ながら「それにしても残念だねぇ」といつも思うのは、ツマグロの体の大きさ。
実はいま現在、体長たったの40cmほどで、群れで泳ぐマアジと大きさがあまり変わりません。成長しても、せいぜい1.5mくらいですから、小ぶりのサメなんです。

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いばって泳いでいても、人と比べるとこの大きさ

どんなに怖い顔で偉そうに泳ぎ回ったところで、もっと体の大きな魚はたくさんいるし、実際、他の魚は知らんぷりして泳いでいて、水槽の中は平和そのもの。
気の毒ですが、ツマグロがゆったり水槽で覇権を握る日は、訪れそうにもありません。




お正月企画展“ドラゴン宮島”好評開催中!!

2012.01.02 カテゴリー:えとSETOら

宮島水族館「みやじマリン」お正月企画展“ドラゴン宮島”が1月1日から開始しました。

2012年の干支である「辰」をテーマに、『ドラゴンの世界!』、『宮島龍伝説!』、『ドラゴン危機一髪!』の3部構成で展示し、ここでしか見られない宮島ならではの企画展です。

初日から多くの方に来館いただき、たいへん賑わっています。この企画展は1月31日まで行われますので、ぜひご来館くださいませ。(宮島水族館入館券でご覧いただけます。)

スタッフ Y


干支展風景1
あけましておめでとうございます。本年もご愛顧のほどよろしくお願いします。

干支展風景2
いろいろな種類のタツノオコシゴが!!日本では"龍の落とし子"と呼ばれていますが英語圏では馬面の顔から"シーホース(海の馬)"と呼ばれているそうです。

干支展風景3
なんで水族館にこんなものが???「辰」にまつわる絵本やおもちゃ(怪獣?)がたくさんあるんですねえ・・・



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