カキが餌を食べるのも観察できる!? 日本で唯一のカキ水槽
2012.02.07 カテゴリー:えとSETOら
広島は、全国に知られるカキの一大産地。宮島水族館には、広島ならではのカキいかだを再現した水槽があります。生きたカキの展示は日本でも、ここ宮島水族館だけ。ちなみに、“広島県のさかな”に指定されているのはカキなんですよ。
さて、そのカキ水槽ですが、昨年末に展示するカキいかだを入れ替えました。カキは本来、殻にホヤやフジツボなどが付いていて、全体的にデコボコして茶色っぽく、見た目はあまりきれいではないんです。当初の宮島水族館に展示したばかりのカキもそうだったんですよ。でも、そのうちカキの殻はとってもきれいになっていきました。なぜかと言うと、カキ水槽で一緒に飼育しているウマヅラハギやメバルなどが、殻の付着物をせっせと食べるから。でも、できるだけ海にいるカキ本来の姿を皆さんに見ていただきたい。それで、昨年末に、宮島近辺で育てたカキを水揚げし、古いカキと入れ替えたというわけです。今度は一緒に飼育する魚たちもあまり増えすぎないように様子を見ながら、自然界にあるカキの姿を見ていただこうと思っています。
ところで、カキの餌は植物プランクトンで、海水をエラで吸収しては必要な養分だけを濾し取って余分なものを吐き出します。一見、動きがないように見えますが、絶えず動いているんですよ。しばらく眺めていると、微妙なその動きを見ることができるかもしれません。
宮島沖で育てられたカキが桟橋に到着
カキの付いたロープは約6メートル。みんなでトラックまで運びます
カキと一緒に水揚げされたイソギンポやケヤリムシ
クレーンで吊り上げ、水族館の2階に
いよいよ水槽へ。水槽の上と下とで連絡を取りながら、ロープをたらす位置を決めます
20本、すべて収まりました。最初はにごっていた水槽も、今は澄んでいます