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水族館だより

そこのけそこのけ、サメ様が通る(ツマグロ)

2012.01.05 カテゴリー:えとSETOら

サメはその風貌や映画「ジョーズ」のイメージが強いせいか、凶暴な生き物で、人をも襲う怖い魚、と思っている人も多いのでは? 
でも、そういうサメはごくわずかで、ほとんどの種類は大人しいんですよ。

ここ、宮島水族館では何種類かのサメを飼育しているんですが、その中に「ツマグロ」というサメがいます。
「ツマ」は「端」という意味もあって、尾レや背ビレの先が黒いので、そんな名前が付いたようです。英名はブラックチップ。
余談ですが宮島水族館には、ネムリブカというサメもいて、こちらはツマグロとは逆に尾ヒレや背ビレの端が白。英名はなんとホワイトチップ! 
宮島水族館では白黒がそろっているんです。

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いつも表層を泳いでいるツマグロ

さて話を戻して、そのツマグロですが、いかにも「これがサメだ!」という顔と姿をしていて、特に顔は強面。
いつもゆったり水槽の中を、シャープな動きで他の魚たちの間をすり抜けながら、いばりまくって泳ぎ回っています。
そんな様子を見ながら「それにしても残念だねぇ」といつも思うのは、ツマグロの体の大きさ。
実はいま現在、体長たったの40cmほどで、群れで泳ぐマアジと大きさがあまり変わりません。成長しても、せいぜい1.5mくらいですから、小ぶりのサメなんです。

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いばって泳いでいても、人と比べるとこの大きさ

どんなに怖い顔で偉そうに泳ぎ回ったところで、もっと体の大きな魚はたくさんいるし、実際、他の魚は知らんぷりして泳いでいて、水槽の中は平和そのもの。
気の毒ですが、ツマグロがゆったり水槽で覇権を握る日は、訪れそうにもありません。




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