2012.07.28 カテゴリー:水族館のお仕事
ナルトビエイの食害防止の杭の話を以前しましたが,この杭についている生物を調べてみました。
竹でできた杭の表面には,写真のように,フジツボが付着していました。
びっしりとついています
フジツボはカキと同じようなところに付着しているので,貝の仲間のように思われがちですが,
エビやカニの仲間です。
4枚の蓋と6枚の固い殻板と底板に囲まれた軟体部には植物の蔓(つる)のような6対の脚があります。
フジツボは節足動物の蔓脚(まんきゃく)類に属します。フジツボは基盤に直接(無柄類),
仲間のカメノテは,基盤に柄(有柄類)で付着しています。
館長
2012.07.21 カテゴリー:水族館のお仕事
ようやく梅雨もあけ、待ちに待った夏休みですね!
これからは、毎日、暑―い日が続くことでしょう。
そんなお日様がギラギラとした日が続くと、水族館にはある異変が起きます。
青いハズのプールがコケで緑色に・・・!
これではプールが台無しです。
そこで私たち飼育員はこのプールの水を抜いて掃除をするのですが、
水が少なくてもアザラシは好き勝手に動き回るので結構スリル!
なぜか、デッキブラシのほうへ近寄ってきます。もしかしてわざと?
でも、この掃除が終わればこんなにきれいになるんですよ!
なんとかピカピカになりました。
きれいなプールで気持ちよく泳ぐアザラシ3頭にぜひ会いに来てくださいね。
STAFF K
2012.07.17 カテゴリー:水族館のお仕事
宮島水族館で一番大きい飼育動物は、今年の3月に来館した、トドのヨネタロー君です。
その存在感で、今では宮島水族館の顔役となっています。
ところが・・・水槽をのぞいてみると、ヨネタロー君とメスのコマチちゃんの姿が見当たりません。
これはいったい?
実は、2頭とも、2階の陸場でお昼寝中でした。
宮島水族館の大型水槽は、トドプールに限らず、1・2階が貫通している水槽が多いです。
もし、ご覧になった時に生き物が見当たらない場合、2階部分にいるのかもしれません。
STAFF A
2012.06.24 カテゴリー:水族館のお仕事
じめじめ・・・
ここのところ雨が続き、宮島もようやく梅雨らしくなりました〜。
さてさて本日ご紹介するのは、姿がそっくりな2種類の魚、
赤く華やかなアツモリウオと、地味な色のクマガイウオ。
変わった名前の魚ですが、源平合戦に登場する歴史上の人物に由来しています。
トゲトゲの体に立派な背びれを持つ、武士のような勇ましい魚達ですが、実は泳ぎが苦手なんです。
時々ヒラヒラと舞い上がるように泳ぐこともありますが、普段は胸びれで海底をはうようにして移動します。
武士のイメージからは想像できないちょっとお茶目な一面を、是非みてください♪
手前の赤いのが若武者・アツモリウオ、奥のいぶし銀的なのがクマガイウオです
そんな2種を展示している 企画展”水の中の平家物語”の水槽に、梅雨ならではの問題が…
この2種の魚は、北の海に生息しているので、冷たい海水で飼育しています。
じめじめしているこの頃、水槽のガラスが湿気で結露してしまうんです。
なんど拭いてもすぐ結露…。これにはスタッフもお手上げです。
そこで、結露しなくて魚が快適な水温。その微妙な水温調節を繰り返し、
最終的に12℃がベストだということが分かりました!!
アツモリウオ、クマガイウオもよく餌を食べ、元気に飼育できています!
しっとり梅雨の宮島、見た目にも涼しい水族館でのひと時はいかがでしょうか♪
STAFF N
2012.06.13 カテゴリー:水族館のお仕事
大好評!「水の中の平家物語」も開催13日目を迎えます。みなさんもうチェックしていただけましたか?
6月いっぱいの開催なので、まだご覧になってない方は是非お急ぎ下さい!
さて、企画展示に限らず解説板や種名板(しゅめいばん)の生物の写真は、飼育スタッフが、
1種ずつ撮影しているってご存知でしたか?
種名板の照明も渋っ 竹です竹!(これも手作り)
撮影の際は、被写体となる生物のために水槽や撮影台をセットし、1種につき1時間ほど、
撮影枚数は多いもので200枚を越えます。しかし、その中で使える写真はたったの2、3枚だけです。
まさに生物との根気比べ、ファインダーをのぞきながら無力さを痛感しています。
けれど、いい写真が撮れたときは思わずニッコリ、微笑んでしまいます。
ホワイトバックのゲンジボタル。会心のショットです
主役は、あくまで水槽の中の生物ですが、種名板の写真にも注目してみてくださいね〜
STAFF K
2012.05.23 カテゴリー:水族館のお仕事
もう見られた方もいると思いますが、先日、宮島水族館に大分県の水族館からオスのトドがやってきました。
その名もヨネタロー。
このヨネタロー、旧水族館からいるメスのコマチに比べて体が大きいので、とっても迫力があります。
ですがある日、私がトドプールを見ているときこんな声を聞きました。「わー、おっきくてかっこいい」。
うんうん、そう思うよね。
しかし、別の日に、「うわ!ぶさいくな顔」。ガーン!!
みなさんは、どう思いますか??
判断は、おまかせします
STAFF O
2012.03.13 カテゴリー:水族館のお仕事
チンアナゴとカニハゼが暮らす水槽は、いつも人が絶えることなく、一度見たら忘れられないその姿に見入っています。
いつも一斉におなじ方向を向いているチンアナゴ
チンアナゴは珊瑚の砂底に群れで生息。砂の中からニョキッと顔を出している姿はなんとも個性的です。
ちなみに、顔が犬のチンに似ていることから、その名が付いたのだそう。体の大部分は砂の中なので、全体を見かけることは滅多にないのですが、体長は40cmほどあって意外に長いんですよ。
面白いのは、いつも一斉に同じ方向に顔を向けて、ゆらゆらしていること。実は、水流に乗って流れてくるプランクトンを食べているんです。
背びれが目に見えてしまうカニハゼ
カニハゼは、名前に「カニ」が付いているだけあって、ぱっと見はカニのように見え、ぴょんぴょん跳ねるように泳ぎます。
カニの目のように見える背びれの二つの黒丸は、ただの模様です。実際の目はそれより小さく、頭の上の方にちょこんと付いています。よーく見ると、分かりますよ。
よくペアで巣をつくっているのですが、中にはよせばいいのに他のペアのメスを奪いに行こうとする輩もいて、当然のように追い出されるのですが、懲りもせず同じことを繰り返しています。
挨拶を交わしているように見えるカニハゼとチンアナゴ
チンアナゴとカニハゼは、どちらも派手なパフォーマンスを見せてくれるわけじゃないんですが、容姿も動きも愛らしくずっと見ていたい気分になるから不思議です。
2012.01.14 カテゴリー:水族館のお仕事
2012年NHK大河ドラマ「平清盛」放映に合わせ、宮島に「平清盛館」、呉に「瀬戸ドラマ館」が1月14日オープンしました。
宮島と呉はともに、ドラマの舞台であり、平清盛ゆかりの地なのです。
平清盛館は厳島神社出口から宮島水族館に向かう途中の歴史民俗資料館内にあります。平清盛館にお越しの節は、歩いて5分足らずの近くにあります宮島水族館に、是非、お立ち寄りくださいね。
それでは、平清盛館をご紹介します。
平清盛館の表の様子です。夕暮れ時なので人通りが少ないですが、朝早くからかなり賑わっていました。
ここが清盛館の入口です。館内は、カメラ・ビデオなどでの撮影はできません。
清盛館唯一の撮影ポイント!平清盛(松山ケンイチ)との記念撮影はいかがですか…
スタッフ Y
2011.12.31 カテゴリー:水族館のお仕事
設備点検のため12月26日から休館していましたが、本日12月31日(大晦日)から営業を開始しました。
朝(9時)から開館をまだかまだかと待ち望む多くの来館者の列ができました。
大晦日に営業することは初めてなので、どれだけの来館者に来ていただけるか不安でしたが、予想以上の賑わいでうれしい限りです。!(^^)!
今年中は大変多くの皆さまにご愛顧いただき本当にありがとうございました。
明日から新年を迎えますが、また新たな気持ちで皆さまをお迎えいたします。皆さまのご来館を心からお待ち申し上げます。
スタッフ Y
朝から長蛇の列ができました。1月3日まで先着500名様にオリジナルカレンダーをプレゼントします。
明日から干支展が始まります。今日中に仕上げま〜す。ご期待あれ!!
カキ水槽の2階部分。のぞいてごらん海上からカキの様子を!!
カキ水槽の1階部分。カキいかだに吊るされたカキに興味津々!!
午後からのアシカライブの風景。賑わいが戻ってきました。
宮島水族館のアシカライブはお客様が飼育トレーナーのように参加体験できるのです。
アシカライブの新バージョン登場。大河ドラマ「平 清盛」にちなんだアシカライブをご堪能ください。
2011.10.25 カテゴリー:水族館のお仕事
水族館にはたくさんの水槽がありますが、いつもきれいな状態で見ていただくため、掃除は欠かせない仕事の一つ。
藻など汚れがついたままでは、せっかくの見学も台無しなので、毎日、水槽をせっせと磨いています。
水槽がきれいに見えるように、隅々まで磨きます。
石もきれいにゴシゴシ。
その掃除なのですが、担当者は当然水の中に潜って掃除します。
ひとつの水槽が終わると、次の水槽へ移動! でも場所が離れていたり、1階から2階へ行くときなど、そのまま歩いて行くと通路は水浸しになってしまいます。
そこで登場するのがオリジナルトロッコです。
魚たちを運ぶコンテナにコロを付けたもので、潜水服が濡れていてもそのままコンテナに乗り込んで、別のスタッフに押してもらえば簡単に移動できるというアイデア用品です。
トロッコに乗って、いざ移動開始。
でも待てよ、この移動の様子は見たことがあるぞー。そうだ、70年代に一世を風靡した時代劇『子連れ狼』だ!(古い…)
当時、テーマソングとともに、大五郎という子役が箱車に乗って父親に押してもらって旅をしていましたが、まさにそのシーンを思い起こさせるような、なんとも言えない哀愁が漂います。
エレベーターにもちゃんと収まります。怪しさ満点。
以来、私たちスタッフは、トロッコを見かけるとつい笑ってしまうのですが、それも通路を汚さないための苦肉の策。
しとしと通路が水にぬれてしまっては危険なのですから。
このトロッコの移動は開館中はやらないので皆さんが見かけることはないのですが、快適に鑑賞していただくためにこんな苦労もしているんですよ。