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水族館だより

小魚を飲み込む謎のカーペット(ヒラメ)

2011.12.28 カテゴリー:えとSETOら

民話「浦島太郎」に登場する竜宮城では、タイやヒラメが舞い踊りで太郎をもてなす場面があります。
そのヒラメ、宮島水族館のゆったり水槽にいるんですが、どこにいるのかわからない方もいらっしゃると思います。
実は昼間は、だいたい砂の中に潜って、じっとしています。ぱっと見は分からないのですが、底をよく見てください。
すると、目だけ動かしているのが見えます。ウソみたいな話ですが、ときどき、目が合うこともあるんですから!

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砂に潜って、目だけキョロキョロ


開館している時間帯は、大人しく砂に潜っていることが多いのですが、朝早い時間や夕方には水槽の上の方でアグレッシブに泳いでいることがあります。
その姿は、まるで「空飛ぶじゅうたん」というか「空飛ぶざぶとん」です。これが太郎が見たヒラメの舞い踊りかなあ、と思いながら、観察しています。

ところで、昼間のヒラメは砂に潜って眠っているわけじゃないんです。エサがくるのをひたすら待っているハンターなんです。エサは小魚。
獲物が近づくと、砂をぶわっと舞い上げ、一瞬にしてエサをさらいます。釣りをする方ならご存知だと思いますが、ヒラメを狙うときはその習性を利用し、ルアーを砂地近くに走らせて、ヒットするのを待ちます。
ヒラメは砂と同じような保護色をしていますから、砂が小魚を飲み込むように見えるのですが、その正体はヒラメ。まさにマジックカーペットです。

極端な2つの姿を1日で見ることができたら、すごくラッキーですよ。



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泳ぎつかれると、こんなところで休んだりしています。



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