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水族館だより

ありがとう「まるごと1周年」TVCMの舞台裏-3

2012.09.26 カテゴリー:えとSETOら

人生で一番の笑顔を、連発した日

海獣類責任者兼獣医/滝 導博(たき・みちひろ)

宮島水族館のまるごと1周年のTVCMでは、私はスナメリプールの脇で水族館のスタッフと二人で歌っているんですが、撮っている間中、とにかく私のせいで撮り直しになることのないように、邪魔にならないように、という一心で歌っていました。私は歌が苦手で、普段はカラオケに行ったりしないし、音楽をやっているわけでもないのですが、それ以上に難しかったのが笑顔をつくること。自分では本当に精一杯の笑顔をしているつもりなのに、当日は何度も撮り直しになりました。それで、没になった映像を見せていただくと、確かにひきつった笑顔なんですよね。だから、あの日は意識して人生で一番ではないかというくらいの笑顔を連発しました。OKをいただいたときはホッとしましたよ。CMがテレビで放映され始めてから、隣の家の人に「出てましたね」と声をかけられ、驚きました。出演しているといっても一瞬だし、私が出ていることは分からないだろうと思っていましたから。とても照れくさかったです。

私は海獣類の責任者で、獣医でもあるので、普段は生き物たちの健康状態をチェックしたり、病気になれば治療をするのが主な仕事。もちろん、イベントのフォローや、給餌などもやっていますので、館内の展示側にいることも多いんですよ。

宮島水族館では昨年、コツメカワウソの「アラタ」が生まれました。今はやんちゃ盛りで元気に遊び回っています。メスしかいなかったスナメリプールには、オスの「ゴウ」が仲間入りしたり、トドプールにもオスのヨネタローが仲間入りし、最近、メスのコマチと仲が良いので、こちらにも繁殖に期待が高まっています。宮島水族館には、いつも新しい話題がありますので、何度来ていただいても楽しめると思います。



意外だった、自分の「声」

海獣類担当・専門員/_村 大助(はまむら・だいすけ)

私はもともと宮島水族館のTVCMに出演する予定はなく、オーディションの日も事務所にいたんです。そのとき、CM制作のスタッフさんから「オーディションを受けないんですか?」と聞かれ、その予定がないことを告げると、「ぜひ受けてほしい」と言われ、急きょ受けることになりました。私はわりと体格がいいものですから、見た目のインパクトがあったのでしょうか、採用となりました。

本番では獣医の滝さんと二人、スナメリプールで歌うのですが、私は趣味でバンドをやっているので、歌うことには慣れているし、抵抗はなかったです。ただ、二人で息を合わせて歌ったり、スナメリが浮いてきたところを歌のタイミングと合わせて画面に入れたいという要望もあったりして、何度も撮り直しをしました。また、スナメリプールは自然光が入るようになっているので、日差しが雲で遮られるたびに撮影を中断。太陽が出るまで根気よく待って、撮影は大変だなと思いました。

私は家では仕事のことをあまり話さないので、今回のことも家族に伝えていなかったのですが、妻は友達からの電話でCMに出ていたことを知ったようです。実際にCMをテレビで見たときは、歌は別の人が歌ったのを使ったんだな、と思ったのですが、妻や子どもたちから「お父さんの声だ!」と言われて、そうかと。自分の声なのに、「自分はこんな声なんだ」と、なんだか意外でした。放映が始まってから、いろんな人から「見ました」と声をかけられ、それがずっと続いているような状態で、CMの影響力ってすごいなと思います。

宮島水族館がグランドオープンして1年。旧宮島水族館の時から来ていただいているお客様に、「昔の方が良かった」と言われることもあれば、「新しい水族館になって良くなった」と言われることもあります。私は旧宮島水族館時代からいるので、そのどちらのご意見も嬉しいんですよね。でも、せっかく新しい施設になったのですから、どんな風に水族館が変わったのか、まだお越しいただいてない方には、ぜひ来ていただき、ゆっくり楽しんでいただけたらと思っています。



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「これ以上ないくらいの笑顔を作りました」(滝さん・左側)
「スナメリ待ち、太陽待ちで粘り、ベストなシーンを撮っていただきました」(_村さん・右側)



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