職人技をみがいています
2012.01.10 カテゴリー:生きものダイアリー
以前、宮島水族館が独自の基準で行っている飼育員の「潜水試験」や水槽に潜って掃除をする様子などを
ご紹介しましたが、今回は、掃除道具などについてご紹介しましょう。
掃除をするのは、皆さんにいつでもきれいな水槽を見ていただきたい、ということももちろんありますが、
エサの食べ残しなどが底などにたまってしまうと衛生的にも良くないし、魚たちの健康に影響してしまうので、それを防ぐためでもあるんです。
水槽は大きさがいろいろですが、「ゆったり水槽」などの大きい水槽は潜って掃除をします。
アクリルの部分は傷がつかないように、やわらかいスポンジで磨いたり、岩はブラシでこすったり。
中でも水中でアクリル面をきれいにしながら移動するのは大変なんですが、そんなときは吸盤を使います。片手に吸盤を持って体を固定し、もう片方の手でスポンジできれいにきれいに。
バックヤードの小さな水槽は、箱めがねをのぞきながら隅々まできれいに
水槽ごとに設置されたモップ
ちなみに、掃除道具は水族館専用というのはないので、既製品の道具を自分たちで使いやすいように改造しながら、いろいろ試しています。
たとえば、砂の中のゴミなどを吸い込んでいく掃除機のような道具があるのですが、吸い込み口が狭いと底の砂もいっしょに吸ってしまうので、吸い込み口に、半分に切った大型のペットボトルをセットして、汚れ以外のものを吸わないようにしています。これは結構、ヒット作でした。
ペットボトルを再利用した宮島水族館オリジナル掃除道具
どんな掃除道具が使いやすいかは、実際に掃除をしている人が一番分かっているので、オリジナルの道具づくりも、潜水する飼育員の仕事なんですよ。