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水族館だより

ありがとう「まるごと1周年」TVCMの舞台裏-4

2012.09.28 カテゴリー:生きものダイアリー

ボクを探してみて!? 大作戦

飼育員・海獣類担当/乙木 祐介(おとき・ゆうすけ)

宮島水族館のTVCMでは、ほとんどのスタッフがオーディションを受けて出演したようですが、私はたまたま手が空いていたということで、潜水シーンで山崎さんと一緒に出ることになりました。私は海獣類担当ですが、水槽に潜って作業することもあるので、潜水シーンの出演には問題なかったんです。でも、それは水中に入る前までの話。実際に潜って、CMディレクターの指示を受けるのですが、紙に書いてある字を見てから動くので、どうしてもすぐに反応できずワンテンポ遅れる。OKが出ても、すぐには分からない。また、水中にいて外のカメラに向かってポーズをとるのですが、目標物がないので少しずつ流されて自分が上下左右に移動していると気づかないんです。そういった微妙な位置の調整が難しかったですね。また、足も「まるごと」のポーズをつくるのですが、これが体力的にキツかったです。また、私が入っていた水槽は、宮島水族館で一番大きなゆったり水槽。たくさんの魚類がいるので、撮影前に餌をやって、お腹いっぱいになったところで潜りました。それでないと、魚が好奇心から寄ってきますし、中にはいたずらをする生きものもいますので。(特にカメが・・・)

今回のTVCMの撮影では、私はたまたまの出演だったので、他の水族館のスタッフはほとんど私が出ているのを知らなかったんです。ただ、「潜っているスタッフが乙木かも」と、なんとなくは思っていたようですが。親には、CMに出ることは伝えていましたが、どこに出ているかは内緒にしていました。その方が、面白いでしょ? だから、放映が始まってすぐに「どこに映ってるの?」と連絡があり、そこで初めてネタばらしをしました。

宮島水族館に、今年新しく仲間入りしたトドのヨネタローがなかなかの芸達者。プールサイドで逆立ちをしたりして、お客様を楽しませています。アシカライブでは、アシカのミーチャが大ジャンプを見せてくれます。そんなエンターテイナーが宮島水族館には揃っていますので、さまざまなパフォーマンスを見てやってください。



潜水服姿でも、見つけられて

潜水スタッフ・魚類担当/山崎 進悟(やまさき・しんご)

私は宮島水族館で、一番大きなゆったり水槽をはじめ、スナメリプール、カキ水槽など、水中の清掃を主に担当しています。

宮島水族館のTVCM撮影では、事前にオーディションがあったのですが、私は受けていないんです。もともと水中でのシーンの撮影は決まっていたようで、潜水は私が主にやっているということで役がまわってきました。

撮影の日は、飼育員の乙木さんと一緒に、水中で「まるごと」のポーズをとることになり、潜る直前にCM制作のスタッフの方と打ち合わせ。水中では音が聞こえないので、紙に書いてもらったり、ゼスチャーで指示を出してもらって、ちょっとずつ水槽の中を移動しながら演技をしました。大変だったのは、呼吸だけで浮きも沈みもしない静止した状態を保たないといけなかったこと。ダイビングをされたことのある方だと分かると思うのですが、息を吸うと浮き、吐くと沈みます。ところが、本番では「まるごと」のポーズに合わせて泡を出すというシーンを撮影したいとの要望があったので、おもりを体につけて浮き沈みを調整したりして、結構大変でした。水中にいると長く感じたのですが、終わってみれば5分ほどの撮影で、OKにこぎ着けました。

TVCMでは、潜水服を着て水中にいるので、誰だか分からないとは思うんですが、宮島水族館のスタッフは体型で私だと分かったようです。また、私の仕事を知っている知人は、潜水服で全身をすっぽり包み、水中の中で二人並んで演技していたのに、画面の右側にいたことをピタリと当てられました。TVCMの最後のシーンでは、宮島水族館のスタッフが勢揃いしてポーズをとっているのですが、潜水服を着ていたことがかえって目立つことになってしまいました。

宮島水族館では、ほぼ毎日のように水中に潜って、水槽の掃除をしています。ときどき、アクリル面を磨いていると、手を振ってくれる子どもたちもいます。もし、水槽で私を見つけたら、手を振ってください。でも、水槽をたたくのは、魚たちがびっくりするので、やめてくださいね。よろしくお願いします。



mar4
「誰がボクのことを探し当てられるか、楽しみでした」(乙木さん・左側)
「水中での作業は慣れているのに、演技では体力的にも大変でした」(山崎さん・右側)



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