ミズクラゲをそだてる
2018.12.26 カテゴリー:生きものダイアリー
宮島水族館では、ミズクラゲの繁殖を行っています。海から捕まえて来ることもありますが、展示しているミズクラゲのほとんどは水族館生まれなんですよ。それでは、どのようにしてミズクラゲを増やしているのかご紹介しましょう。
まず、ミズクラゲを展示している水槽の片隅に、プラスティックの板を吊るします。しばらくすると、板の表面にポリプというものが付着します。ミズクラゲの繁殖方法は、オスとメスが受精した卵からプラヌラという幼生が生まれることから始まります。これを有性生殖といいます。プラヌラは,やがて水槽の壁などに付着してポリプに変身します。
板の表面についたポリプ(約1mm)
板の表面についたポリプは、イソギンチャクのように触手を伸ばし、餌のプランクトンを捕まえて成長します。そして、分裂を繰り返し自分の分身を増やしていきます。これを無性生殖といいます。水温が下がるとポリプは縦に長く伸びてくびれが入り始めます。このくびれの一つ一つがお皿のような形になり、クラゲになる準備が整います。この状態をストロビラと呼びます。
ストロビラ(約3mm)
水族館では、ポリプが付着した板を水温が低い別の水槽に移すことでストロビラに変身させます。やがて、ストロビラの上から順にお皿状のクラゲの子どもが一枚ずつはがれ海中を泳ぎ始めます。この「クラゲの子ども」のことをエフィラと呼びます。
エフィラ(約2mm)
飼育の様子:水替えの時は、クラゲの大きさによってスポイトやお玉を使いビーカーに移します。
現在(H30.12.26)、展示水槽にいるミズクラゲは、10月に生まれたばかりのピチピチのクラゲたちです。約2ヶ月でカサの直径が約10cmになりました。まだサイズは小さいですが、これからどんどん大きくしたいと思います。
四つ葉のクローバーのように見える部分はクラゲの胃になりますが、そこがお花の形になっているクラゲがいるんです。もし見つけることができたらいいことがあるかもしれません。
皆さんぜひ、宮島水族館のミズクラゲに会いにいらしてください。
A・H