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水族館だより

モテる男はつらいよ!?

2012.05.01 カテゴリー:生きものダイアリー

鳥羽水族館からスナメリのオスの「ゴウ」がやってきて、はや1カ月。
新しい環境になってちょっと緊張しているのかな、と思ったのはほんの数日で、今やすっかり宮島水族館に慣れてメスのP1、コハル、ニコたちと仲良く泳ぎ回っています。
メスのスナメリたちは、餌のアジがちょっと大きかったり、硬かったりすると、プイッとして食べないことがあるのですが、ゴウは選り好みせず、モリモリと食べてくれます。
そんなゴウを見ていると、メス3頭に対しては、「少しはゴウを見習ってよ」と思ってしまいます。

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人生最大のモテ期がやってきたゴウくん。

ゴウは、最初のころは簡単に見分けることができました。それは、他のメス3頭とは逆に、反時計回りで泳いでいたから。鳥羽水族館では反時計回りに泳いでいたそうで、その習慣が身に付いていたんでしょうね。
ところが2、3日すると時計回りに泳いでいて、その順応の良さに、「慣れるまでに時間がかかるかも」と思っていた私たち飼育員はびっくり。でも、とりあえずはひと安心しました。
では、そんなゴウをどうやって見分けるか。お腹の部分を見てください。生殖器のラインが1本スーッと入っています。これがオス。メスにはこのラインを挟んだ両側におっぱいが付いていて、ちょうど漢字の「小」の字のように見えますよ。

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最初はゴウだけ逆回りで泳いでいたので、すぐに見分けがつきました。上のほうで左を向いているのがゴウです。

春は繁殖の季節。今は特にコハル、ニコがゴウを奪い合っている感じで、ゴウは早くもモテモテ。
体をすり合わせているのも、よく見かけるようになりました。これはスナメリの求愛行動。順調にいけば、来年の春ごろスナメリの赤ちゃんが誕生するかもしれません。宮島水族館にとっては実に12年ぶりのことなので、期待しています。

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すり合い行動をする、ゴウ(右)とコハル(左)




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