「守ろう アユモドキ!連携展示」を開催します
宮島水族館では、平成27年10月24日(土)から日本産希少淡水魚のアユモドキの展示を開始します。
本展示は、11の施設が共同で実施する「守ろう アユモドキ!連携展示」の参加施設として行うものです。
アユモドキは、かつては、広島県においても芦田川で生息がみられた身近な魚です。
水田やそのまわりの水路、河川などにすみ、普通にみられた魚ですが、生息場所の改変や、水利用の変化、魚食性の外来魚などの影響により、今では京都府亀山市と岡山県岡山市の一部の河川でしかみられなくなっています。
この度、当館で展示するアユモドキは、岡山市立高島小学校より譲り受けたものです。
同校は、平成22年度よりアユモドキの人工繁殖を行っており、本年6月に孵化した稚魚のうち30尾が、平成27年9月24日(木)に当館へ譲渡されました。
宮島水族館では、アユモドキの展示を行うとともに、希少なこの魚を守るため、生息域外保全に取り組みます。
当館はこれまでも、ミヤジマトンボ、オヤニラミ、スイゲンゼニタナゴなど、希少野生生物の生息域外保全に取り組んできました。
これらの希少生物同様、アユモドキも、その大切な種を絶やさないよう、繁殖飼育に努めていきます。
本展示を通じ、アユモドキという希少種を知っていただくとともに、このような希少生物を守っていくための環境保全について考えていただく機会となればと思います。この機会にぜひ、アユモドキをご覧にお越しください。
<守ろう! アユモドキ連携展示>
【日 時】 平成27年10月24日(土)~
【場 所】 宮島水族館2階 「山から海へ」ゾーン
【内 容】 アユモドキの生体展示及びパネル解説
◎アユモドキについて
全長約10~15cm、6本の口ひげが特徴の日本固有の淡水魚です。
ドジョウの仲間ですが、ドジョウとは異なり、平たい体型でアユに似ていることから「アユモドキ」の名があります。
稚魚の体の側面には、しま模様がありますが、成長するに従い不明瞭になります。
環境省レッドリストで絶滅の危険性が最も高い「絶滅危惧IA類」とされ、文化財保護法により、国の天然記念物に指定されています。
◎生息域外保全とは
絶滅の恐れがあるアユモドキなど少なくなった淡水魚は、生息地で守ること(生息域内保全)が重要ですが、生息地の環境悪化や捕獲・魚食性外来種の侵入など様々な原因で減少し、生息地を守ることができず、絶滅する可能性が高い場合は、安全な場所や施設で保護繁殖する必要があります。このような取り組みを生息域外保全と言います。
「守ろう アユモドキ!連携展示」(展示期間は各施設により異なります)
【参加施設】滋賀県立琵琶湖博物館、世界淡水魚園水族館、志摩マリンランド、京都水族館、宮津エネルギー研究所水族館、亀岡市文化資料館、大阪府立環境農林水産総合研究所水生生物センター、海遊館、神戸市立須磨海浜水族園、姫路市立水族館、宮島水族館
【主催】守ろう アユモドキ!連携展示実行委員会
【共催】(公社)日本動物園水族館協会・生物多様性委員会
【協力】環境省近畿地方環境事務所【後援】岡山市教育委員会、亀岡市教育委員会、京都府
2015/10/15